炭水化物・糖質
炭水化物(糖質)は、3大栄養素の1つで、ご飯などの穀類に多く含まれ、脳や神経などのエネルギー源として利用される重要な栄養素です。糖質は、炭素・水素・酸素で構成される有機化合物で、人を含めた動物の体内にはわずかしか存在しないため、植物が光合成によって生成するデンプンなどをエネルギー源として摂取しなければなりません。栄養学でのカロリーは、1g当り4kcalのエネルギー源となります。
炭水化物(糖質)の分類と特徴
糖質は、1個の糖で構成される単糖類、単糖が2個から10個結合している少糖類、単糖が多数結合している多糖類のように、その結合数によって3つに分類されています。
単糖類
1個の糖から出来ています。糖質を構成している最小単位の物質で、水によく溶解する性質と甘味があります。
- ブドウ糖(グルコース)
- 穀物や果物に多く含まれ、エネルギー源として最も重要な糖質です。血液中では血糖として一定濃度存在し、エネルギーに利用されたり、多くの生理作用に関与しています。
- 果糖(フルクトース)
- 果汁のほか、花蜜の構成成分として多く含まれています。体内では脂肪に変わりやすい性質を持つため、慢性的な過剰摂取は肥満や動脈硬化を引き起こす原因となります。
- ガラクトース
- 乳糖の構成成分で、乳汁に多く含まれています。また、寒天にも存在します。
| 分類 | 種類 | 主な特徴 | 主な性質 |
|---|---|---|---|
| 単糖類 | ブドウ糖 | 自然界に最も多く存在する糖質で穀物や果実、根菜類に多い | 水溶性 甘みあり |
| 果糖 | 果実や花蜜に多く含まれ、糖質の中で最も甘みが強い | ||
| ガラクトース | 乳糖を構成する成分で、寒天にも含まれる |
少糖類
2個~10個の糖から出来ています。少糖類は、結合数によって二糖類や三糖類などと呼ばれます。
- ショ糖(スクロース)
- 砂糖の主成分で、ブドウ糖と果糖が結合した二糖類です。また、てんさいにも存在します。
- 麦芽糖(マルトース)
- 麦芽や水あめの主成分で、ブドウ糖が2個結合した二糖類です。ビール作りに欠かせない糖でもあります。
- 乳糖(ラクトース)
- 動物の乳汁に存在する、ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類で、動物体にしか存在しません。乳児にとって重要なエネルギー源となったり、整腸作用があります。
- オリゴ糖(マルトトリオースなど)
- フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖、イソマルオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などの種類があり、消化酵素では分解されず、腸内で乳酸菌やビフィズス菌などの有益な腸内細菌の栄養源となるものがあります。
| 分類 | 種類 | 主な特徴 | 主な性質 |
|---|---|---|---|
| 少糖類 | ショ糖 | サトウキビの茎やてんさいの根に含まれる砂糖 | 水溶性 甘みあり |
| 麦芽糖 | 麦芽から精製され、水あめに多く含まれる | ||
| 乳糖 | 母乳や牛乳に含まれ、動物体にしか存在しない | ||
| オリゴ糖 | フラクトオリゴ糖や大豆オリゴ糖など、人工甘味料に含まれる | 難消化性 |
多糖類
多数の糖から出来ている高分子化合物で、ブドウ糖のみで構成されている単純多糖類と2種類以上の単糖から構成される複合多糖類があります。
- デンプン(スターチ)
- 穀類や芋類に多く含まれている、ブドウ糖が多数結合した植物性の単純多糖類です。
- グリコーゲン
- 動物の肝臓や筋肉に貯蔵される、ブドウ糖が多数結合した動物性の単純多糖類です。
- ペクチン、マンナンなど
- 多数のガラクトースなどが結合した複合多糖類です。食物繊維も難消化性多糖類と呼ばれ、この仲間に入ります。エネルギー源にはなりませんが、腸を刺激したりするなど多くの生理作用に関わっています。
| 分類 | 種類 | 主な特徴 | 主な性質 |
|---|---|---|---|
| 多糖類 | デンプン | 日本人の主食となる穀類や芋類、豆類などに多く含まれる | 不溶性 甘みなし |
| グリコーゲン | 貯蔵エネルギー源として、動物の肝臓や筋肉に存在する | ||
| デキストリン | デンプンが加水分解されると生じる |
その他の糖質
- パラチノース
- ショ糖から作られた人工的なブドウ糖と果糖が1個づつ結合したものです。上品な甘味がありますが、常用しても虫歯になりにくい糖類です。また、糖尿病患者の日常的な甘味料として利用がすすめられています。
- キシリトール
- 樺や樫などの樹木から取れるキシラン・ヘミセルロースを原料とした甘味料で、多くの野菜や果実に含まれています。カロリーは砂糖の3/4と低く、甘味は砂糖と同等です。口内細菌による発酵を受けないため、常用しても虫歯になりにくい糖類です。
