ビタミンDの生理作用と食事摂取基準
ビタミンD(カルシフェロール)は、成長の促進、特に骨や歯に対するカルシウムの沈着を促すビタミンで、小腸におけるカルシウムの吸収を促進させる働きを持っています。ビタミンDが欠乏すると骨の石灰化が不十分となって骨が軟弱となり、小児ではクル病、成人では骨軟化症を引き起こします。過剰症は、血中のカルシウム量が増加して、内臓器官(心臓、肝臓、血管壁)に石灰質の沈着を起こします。骨が折れやすいなどの症状がある時はビタミンD不足かもしれません。
ビタミンDが必要な人
- 幼児
- 妊婦・授乳婦
- 高齢者
- 歯や骨が弱い人
- 骨粗鬆症の予防をしたい人
ビタミンDの生理作用
ビタミンDは、紫外線によって生成され、肝臓、腎臓を経て活性型ビタミンDに変化します。この活性型ビタミンDは、腸管でカルシウムの吸収率を高めるほか、血液中のカルシウムイオン濃度を一定に保ち、骨の形成を助けます。また、カルシウムが不足すると、骨や歯に貯蔵されているカルシウムを血液中に溶出させカルシウムの血中濃度を調節する働きもあります。このようにビタミンDはカルシウム代謝を調節するホルモンの一種として考えられているため、骨粗鬆症患者の治療薬としてして活性型ビタミンDが利用されます。子供の時からカルシウムとビタミンDをしっかり摂取しておくと、大人になってから虫歯が出来にくくなります。最近では、がん化しかけた細胞を正常化する働きも認められています。
ビタミンDの過剰症
ビタミンD摂取は1日に50μgを超えなければ安全です。
- カルシウム代謝不良
- 高カルシウム血症による食欲不振
- 倦怠
- 頭痛
- 血管壁や内臓器官などにカルシウム沈着(腎臓に沈着で尿毒症)
- 下痢
- 脱水症状
ビタミンDの欠乏症
- クル病
- 骨軟化症
- 骨粗鬆症
- 疲労
- 筋肉痙攣
- 虫歯
ビタミンDの吸収促進
- 脂質を含む食品
- 適度な日光浴
- ビタミンD3含有健康食品
ビタミンDの食事摂取基準
| 年齢(歳) | 1日の目安量 (μg) | 上限量(μg) | |
|---|---|---|---|
| 男 | 女 | ||
| 0~5(月) | 2.5(5)(※1) | 25 | |
| 6~11(月) | 4(5)(※1) | 25 | |
| 1~2 | 3 | 3 | 25 |
| 3~5 | 3 | 3 | 25 |
| 6~7 | 3 | 3 | 30 |
| 8~9 | 4 | 4 | 30 |
| 10~11 | 4 | 4 | 40 |
| 12~14 | 4 | 4 | 50 |
| 15~17 | 5 | 5 | 50 |
| 18~29 | 5 | 5 | 50 |
| 30~49 | 5 | 5 | 50 |
| 50~69 | 5 | 5 | 50 |
| 70以上 | 5 | 5 | 50 |
| 妊婦(付加量) | — | +2.5 | — |
| 授乳婦(付加量) | — | +2.5 | — |
資料元: 厚生労働省2005年版食事摂取基準より
(※1)()は日照を受ける機会の少ない乳児
ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDは主に魚、シイタケ、肝油などに多く含まれています。また、紫外線にあたることによって皮膚でビタミンDを合成します。食品から摂取しながら、運動を兼ねた日光浴を行えば、効率よくビタミンDを補給することができます。ただし、過剰な日光浴はビタミンDの合成能力を落とすだけなので1日5分~10分が適正であるとされています。
| 食品名 | 1食分(g) | 含有量(μg) |
|---|---|---|
| クロカジキ | 80(1切) | 30 |
| サケ | 80(1切) | 26 |
| 身欠きニシン | 50 | 25 |
| きくらげ(乾燥) | 5 | 22 |
| あんこう肝 | 20 | 22 |
| イワシ(丸干し) | 40 | 20 |
| サンマ | 100(1尾) | 19 |
| うなぎ蒲焼 | 100(1串) | 19 |
| カラフトマス | 80(1切) | 18 |
| カレイ | 100 | 13 |
| 銀鮭 | 80(1切) | 12 |
| カジキ | 80(1切) | 10 |
| 筋子 | 20 | 9 |
| サバ | 80(1切) | 9 |
| イワシ | 80(1尾) | 8 |
| うすヒラタケ | 30 | 2 |
| シイタケ(干し) | 10(大2個) | 2 |
| 卵 | 50 | 1.5 |
